2013年 01月 08日
詩の朗読 |
幼いころ
わたしは勇気りんりんの子供だった
大人になったら
こわいものなしになる筈だった
気づいたら
やたらに こわいものだらけになっていて
まったく
こんな筈じゃなかったな
よくものが見えるようになったから
というのは うぬぼれ
人を愛するなんてことも何時のまにやら
覚えてしまって
臆病風はどうやら そのあたりからも
吹いてくるらしい
通らなければならないトンネルならば
さまざまな怖れを十分に味わいつくして行こう
いつか ほんとうの
勇気凛凛になれるかしら
子供のときとは まるで違った
「茨木のり子全詩集」花神社刊
わたしは勇気りんりんの子供だった
大人になったら
こわいものなしになる筈だった
気づいたら
やたらに こわいものだらけになっていて
まったく
こんな筈じゃなかったな
よくものが見えるようになったから
というのは うぬぼれ
人を愛するなんてことも何時のまにやら
覚えてしまって
臆病風はどうやら そのあたりからも
吹いてくるらしい
通らなければならないトンネルならば
さまざまな怖れを十分に味わいつくして行こう
いつか ほんとうの
勇気凛凛になれるかしら
子供のときとは まるで違った
「茨木のり子全詩集」花神社刊
by hal_kuzuya
| 2013-01-08 15:43
| 詩の朗読