2014年 05月 08日
「夏の空に」 茨木のり子 |
夏の星に
まばゆいばかり
豪華にばらまかれ
ふるほどに
星々
あれは蠍座の赤く怒る首星アンタレス
永久にそれを追わねばならない射手座の弓
印度人という名の星はどれだろう
天の川を悠々と飛ぶ白鳥
しっぽにデネブを光らせて
頚の長い大きなスワンよ!
アンドロメダはまだいましめを解かれぬままだし
冠座はかぶりてのないままに
誰かをじっと待っている
屑の星 粒の星 名のない星々
うつくしい者たちよ
わたくしが地上の宝石を欲しがらないのは
すでに
あなた達を視てしまったからなのだ
まばゆいばかり
豪華にばらまかれ
ふるほどに
星々
あれは蠍座の赤く怒る首星アンタレス
永久にそれを追わねばならない射手座の弓
印度人という名の星はどれだろう
天の川を悠々と飛ぶ白鳥
しっぽにデネブを光らせて
頚の長い大きなスワンよ!
アンドロメダはまだいましめを解かれぬままだし
冠座はかぶりてのないままに
誰かをじっと待っている
屑の星 粒の星 名のない星々
うつくしい者たちよ
わたくしが地上の宝石を欲しがらないのは
すでに
あなた達を視てしまったからなのだ
by hal_kuzuya
| 2014-05-08 07:34
| 詩の朗読